SCARLET(緋色)-王道1ポジでコツコツ利益を積み上げる-

自作EA

こんにちは、TYKです。

自作EAの紹介です。

EAの概要

どんなEAか?

 SCARLETは、日本語で緋色という意味です。トレンドの方向に沿ってエントリし、数pips~十数pips程度の利益を狙うスキャルピング・デイトレタイプのEAです。

EA名 SCARLET EURUSD
通貨ペア EURUSD専用
時間軸 5分足
最大ポジション 1ポジション
EAタイプ スキャル・デイトレ 
両建て なし
ナンピン・マーチン  なし
ロジックタイプ(下図) 高勝率重視型


特性とパフォーマンス

バックテストから見るSCARLET EURUSDの特性とパフォーマンスです。

レポート

2007年~2021年10月までのバックテストです。

過去14年10か月のバックテストで年単位の負けはありません。月単位で見ても、過去178か月の内、82%の145か月の月間収支がプラスです。

損益の特徴

 SCARLETがどのような性格を持つEAであるかについてです。

勝率とペイオフレシオ

勝率は78.11%と中高勝率、ペイオフレシオは0.45。コツコツと利益を積み上げることを狙うタイプのEAです。負けにくくメンタルには優しいEAです。

ペイオフレシオとは
勝ちトレードの平均利益と負けトレードの平均損失の比率を求めたもの。「損益率」「損益レシオ」「リスクリワードレシオ」とも呼ばれる。
計算式は、ペイオフレシオ=平均利益÷平均損失

 高勝率型のEAの場合、統計的に十分な根拠となる負け数があるかどうかという観点のチェックも必要です。最低でも200程度は必要だと考えますが、SCARLETは負け数が663あり、検証できているのではないかと言えます。

期待利得とスプレッド耐性

 SCARLETの期待利得は、0.31Lot運用で12.69$、1Lot運用で40.93$です。pipsベースでは凡そ4.1pipsになります。スキャルピングタイプのEAの中では、1トレード当たりの期待値が高い部類に入るのではないかと思います。

期待利得とは
純益 ÷ 取引回数 で算出される、1トレードあたりの平均期待利益のこと。そのEAのスプレッド耐性にもつながる数値。
 メジャー通貨であるEURUSDのスプレッドは、よほどマイナーなブローカーでない限り、多くの時間帯において概ね~1.5pipsに収まるはずですので、基本的にスプレッド負けはせず、ブローカーを選びません。
 ただSCARLETは、過去14年10か月のバックテストにおける総取引数の内、三分の一近くがスプレッドが広がりやすい早朝時間帯(5時~8時)のエントリーであるため、リアルではそれなりにスプレッドの変動による影響を受けると言えます。
 以下に2.0pips~4.0pipsまで固定スプレッドでバックテストした結果を提示します(下表のサムネイルをクリックすると見られます)。

こちらを見ると、直近の相場ではやや怪しいですが、4.0pipsでも概ね右肩上がりであることが見て取れます。ただ、実運用上は、3.0pips程度までが限度かと思われます。
スプレッド20 スプレッド30 スプレッド40

投資効率(リスクとリターン)

投入した資金に対して、どの程度のリスクで、どの程度のリターンが得られるか(投資効率)についてです。

リカバリーファクター

リカバリーファクター(Recovery Factor, RF)は、数値は14年10か月で39.23、1年単位(Year Recovery Factor)に直すと2.64になります。これはつまり、1年間運用した場合、最大リスクの2.64倍のリターンが得られるということになります。負けても早く取り返すことができる高リカバリファクターです。

リカバリーファクターとは
取ったリスクに対するリターンの比率を表す指標で、リターンは「累積損益」、リスクは「最大の累積損失(最大ドローダウン)」として計算する。テスト期間が長い程数値は大きくなる傾向にあるので、他のEAと比較する際は、年や月など単位を揃えてみる必要がある

回復力

EAの性能として、ドローダウンの回復に理論上どれだけの期間を必要とするかについてです。

最大SLからの回復

回復期間(月)= 最大SL ÷ 1月当たりの損益額(損益合計÷バックテスト期間月数)として計算します。数値を当てはめると、310$ ÷ 215.87$ = 1.44(月)です。SCARLETが、最大ストップロスにかかった場合、理論上1.44か月で回復できることになります。

最大ドローダウンからの回復

回復期間(月) = 最大ドローダウン ÷ 1月当たりの損益額(損益合計÷バックテスト期間月数)として計算します。数値を当てはめると、979.6$ ÷ 215.87$ = 4.54(月)です。最大ドローダウンに近い落ち込みがあった場合、最大ドローダウンを計測してから、理論上4.54(月)で回復できることになります。

利益の更新までにかかった最長期間(Stagnation in Days)

利益の新規更新までにかかった最長期間(Stagnation in Days)を見てみると、207日(約6.9か月)です。(下図)

Stagnation in Daysとは
Stagnation in Daysとは資産曲線の利益の新規更新までにかかった期間のこと。ドローダウンが続いたり、横ばいの状態が続くとこの期間が長くなる

ロジック

 SCARLETのロジックの特徴です。実運用での再現性を重視するため、仕掛け(エントリー)、手じまい(クローズ)のいずれも確定足でのみ動作する仕様にしています。

仕掛け(エントリー)

エントリーは、上位時間足の強い方向に、執行時間足(5分足)で売買タイミングを計って逆張りするものです。売買タイミングを計る際には、オシレーター系指標を用いています。
以下は、上位時間足と執行時間足のイメージです。

【上位時間足のチャート】

【5分足】

上図のように、上位時間足の方向に執行時間足(5分足)でエントリーを入れていきますが、以下のケースでは、エントリーをしない仕様としています。

  • 執行時間足の押し・戻りの勢いが強い場合

 SCARLETは、上位時間足の方向に執行時間足(5分足)にて一時的に逆張りポジションを持ちますが、押し・戻りの勢いが強く、そのまま相場が反転していくことも考えられます。それを事前に100%検知することは不可能ですが、以下の条件に該当する場合、その可能性が高そうだと判断し、エントリをしないように制御しています。

    • 価格の変化率が一定上大きい場合
    • オシレーター系指標の変化率が一定以上大きい場合
  • 上位時間足のトレンドが伸び悩みそうな場合

 上位時間足の現在価格の付近にレジスタンス・サポートとなる根拠が見られる場合、上位時間足のトレンド方向に沿ったエントリをしても伸び悩む可能性があるため、高値・安値との位置関係やトレンド系指標による「相場の行き過ぎ」などから総合的に判定し、エントリをしないように制御しています。

  • 東京時間中盤~NY時間開始まで

SCARLETは、上位時間足で相場認識をして、執行時間足でエントリをする仕様です。このため、上位時間足で認識した結果が、不利に働きやすい時間帯でのエントリは避けています。具体的には、以下の2つです。

    • 東京時間の相場の動きが落ち着きやすい時間帯(日本時間11時~16時頃)
       東京時間は、仲値が決まり10時を過ぎると徐々に価格推移が落ち着いてきます。10時台は、過去の相場検証から収益が上がることが確認できたため、エントリ可能にしていますが、基本的にこの時間帯は前日の高値・安値付近では、反発しやすくなる等、上位時間足で認識した方向に相場が進みにくくなる傾向が見られたため、エントリをしないようにしています。

    • それまでの流れから逆行しやすい欧州時間~NY時間開始まで(日本時間16時~21時頃)
       欧州時間の早い時間帯は、東京時間までの流れを否定し、反対方向へ転換することがよくあります。上位時間足で認識した流れと逆行することになるため、欧州時間開始から、上位時間足で流れが形成されるまでに要する一定の時間は、エントリをしないようにしています。

上記時間帯を除いた、以下の時間帯がSCARLETがエントリをする時間帯になります。時間はいずれも日本時間です。

月曜日
  • 市場オープン~10時台
  • 21時~23時台
火曜日~木曜日
  • 0時~10時台
  • 21時~23時台
金曜日
  • 0時~10時台
  • 年末年始

 市場参加者が少なくなり薄商いとなる年末年始(日本時間12/25~1/3)は、値幅の小さなレンジや想定外の値動きになりやすいことから、エントリをしない仕様にしています。

手じまい(クローズ)

ロジックによる手じまい

 相場の状況に応じて複数のロジックを搭載しています。

  1. 想定通りに動いた場合の決済
    いくつかのロジックを搭載しています。

    • エントリに使用しているオシレーター指標が、一定水準を超えたら決済
    • 上位時間足の高値・安値までの値幅から計算したpips幅を獲得できたら決済
    • 相場のボラティリティに応じて、一定以上の利幅が乗った場合、トレーリングストップによる決済
  2. 利益にも損失にもならないような相場が続く時の撤退
    SCARLETは、エントリしてから16時間以上経過すると、利益が上がりにくいという結果を持っています。下図は、ポジション保有時間別の損益を見たものです。



    このため以下の場合においては、早期撤退するためのロジックを搭載しています。
    • ボラティリティの極端な低下により、決済までに長時間を要すると判断できる場合
    • エントリから一定の時間が経過した場合
  3. 逆行した場合の損切
    エントリ後、想定とは逆の方向に相場が流れた場合に、損切りをするために以下のロジックを搭載しています。

    • 一定以上逆行してしまった場合、一時的な戻りが検知できたタイミングで決済するもの
    • 逆方向のトレンドが形成されたと判断でき、一時的な戻りも期待できない場合、損失を最小限に抑えるために即時決済するもの 

時間による手じまい

  1. 週末決済
    週末をはさむと、有事や様々なイベントの影響を受け、エントリ時の相場状況から大きく変化する可能性が高くなります。このため、週末をまたいでポジションを持たない仕様にしています。(日本時間 土曜日 早朝4時決済)

  2. クリスマス市場前の決済
    クリスマス休暇後の年末は市場参加者が少なくなり薄商いとなることから、狭いレンジの値動きや、想定外の値動きになる可能性が高くなります。このため、クリスマス休暇前にポジションを決済する仕様にしています。(日本時間 12/25 1時決済)

TP/SLによる手じまい

 TPは固定70pips、SLは最大100pipsとして、相場のボラティリティに応じて可変で設定する仕様になっています。

ロジックの堅牢性と再現性

 上記ロジックが十分な堅牢性を持っているかについて、モンテカルロシミュレーションを用いて確認します。

モンテカルロシミュレーションとは
全取引をランダムに入れ替え、更に全取引の5%の取引を間引くことで擬似的に実際の取引環境に近づけたシュミレーションを1000回繰り返した際に、元々のバックテスト結果から算出されたOriginalの数値とどの程度のブレ(乖離)が生じるかを分析するもの。乖離が小さい程、堅牢性の高さと再現性が期待できると言える

 ここでは、もともとのバックテストの結果であるOriginalと、グレーにハイライトされている信頼度95%のシミュレーション結果を比較し、

  • Max%DDの差が3%以内に収まるか?
  • Net Profitがプラスの収益が出ているか?

の2点について確認します。

  上図を見ると、MAX%DDについては、Original = 0.04%に対して、Confidence level 95% = 0.09%でありその差は0.05%極めて小さいことがわかります。また、Net Profitについても、Original = 38424.81$ に対して、Confidence level 95% = 37273.45と大きな差はなく収益が上がっていることが確認できます。

 次に、1000回のシミュレーション結果のグラフを確認します(下図)帯状のグラフの上限と下限が、本EAが取り得る可能性のあった収益の幅です。下限に着目しても右肩上がりで推移したことが見て取れます。

将来パフォーマンスの推定

 将来の相場はどうなるか誰にもわかりませんが、モンテカルロシミュレーションを用いると、過去の相場の特性が将来も続くという前提の元で、将来どの程度のパフォーマンスが得られるのかを推定することができます。シミュレーション結果は下図の通りです。

 概ね右肩上がりになる見込みということです。ただ、このグラフは過去のバックテストデータから導き出された統計的な予測でしかありませんので、私は「右肩上がりか?」「右肩下がりか?」といった程度にしか見ないようにしています。

フォワード実績

 デモ口座の実績とリアル口座の実績を掲載します。

デモ(2020/12/1~)
リアル(2021/9/7~)

SCARLETの利用にあたって

利用先について

 SCARLETは、現在以下の無料EA提供サイトにて利用可能です。

FEAT SYSTEM
投資助言代理業を営むトリロジーが提供する、多くのMT4自動売買システム(=EA)を無料でお使いいただけるサービスです。FOREX EXCHANGEで、専用口座を開設すると利用可能になります。トリロジーは、投資助言資格を持つ金融庁登録業者につき、初心者でも安心して利用ができると思います。初期費用不要です。
EA-BANK
厳しい審査基準をクリアした、MT4自動売買システム(=EA)から、お好きなものを選んで資産の運用が行えるサービスです。運用口座は海外FX会社の口座になりますが、複数の選択肢があります。初期費用不要です。
  • FEAT SYSTEMの専用口座の開設
    FEAT SYSTEM

  • EA-BANKの口座の開設

上記サービスは、口座の開設先の選択肢が限定されていますが、もし口座フリーで使用されたい場合は、LET’S REAL(レッツリアル)さんにて販売しております。

利用業者(ブローカー)について

 スキャル/デイトレタイプのEAですが、極小pipsを獲得することを狙うタイプのEAではないので、特に縛りはありません。ただ、スプレッドが狭い業者の方が利益率は良くなるでしょう。

Lots設定について

Lotsは口座資金をベースに設定して下さい。以下に基準となるロット数を示しますので参考にして下さい。

  • 最大DDを10%まで許容する場合の基準:
    口座資金100万円あたり 0.31Lots(初期値)
    口座資金10万円あたり 0.03Lots(初期値)

  • 最大DDを15%前後まで許容する場合の基準:
    口座資金100万円あたり 0.46Lots(初期値)
    口座資金10万円あたり 0.04Lots(初期値)

  • 最大DDを20%前後まで許容する場合の基準:
    口座資金100万円あたり 0.62Lots(初期値)
    口座資金10万円あたり 0.06Lots(初期値)
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